【大会中止】2020年3月の「世界フィギュアスケート選手権2020」新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大のため中止発表

ISU(国際スケート連盟)が主催する、フィギュアスケートのシーズンを締めくくる国際大会「世界フィギュアスケート選手権大会(世界選手権、世界フィギュア)」。
2020年3月16日(月)~22日(日)、カナダ・モントリオール(ケベック州)で開催予定だった「世界フィギュアスケート選手権2020」が、スイス・ローザンヌにあるISU本部から開催中止を発表されました(スイス時間3月11日/日本時間12日)。
中止の理由は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響。

ISU (International Skating Union)
(国際スケート連盟 公式サイト)※英語
World Figure Skating Championships – ISU
世界選手権2020大会情報(ISU)
ISU Statement – ISU World Figure Skating Championships 2020, Montreal
11 March 2020 Lausanne, Switzerland
世界選手権中止のお知らせ(英語)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡散を取り巻く不確実性のため、ケベック州政府から大会中止の通達を受け、主催の国際スケート連合(ISU)と主管のスケートカナダが大会中止を発表しました。
4月初旬に延期するのはスケジュールが無理。今後数週間は関係者と協力して、年内に世界フィギュアスケート選手権2020が開催される可能性があるか話し合います。開催するとしても2020年10月より前ではありません。
Montreal 2020 – ISU World Figure Skating Championships Montreal 2020
(大会公式サイト)英語
日本スケート連盟
ISU 世界フィギュアスケート選手権大会2020|日本スケート連盟
(大会情報)
>【派遣中止について】(2020年3月12日更新)
>新型コロナウイルスの世界的な感染拡大をうけ、大会が中止になりました。
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世界フィギュアスケート選手権は1896年に第1回大会が帝政ロシア時代のサンクトペテルブルクで開催。
1915年~1921年は第一次世界大戦のため中断、1940年~1946年は第二次世界大戦のため中断。
戦争以外で世界選手権が開催できなかった大会は1回だけ。
開催延期なら、9年前の2011年に東京で開催予定だった大会が東日本大震災後の電力不足で中止になり、モスクワが代替地として名乗り出て1ヶ月後に延期開催されました。
完全に世界選手権が中止になったのは1961年のプラハ大会(当時のチェコスロバキア)。
大会出場直前のアメリカチームが飛行機事故で大勢亡くなり、この年の世界選手権を中止して1年後にプラハで1962年大会を開催しました。
大会に出場するためにアメリカチームが乗っていた飛行機が、経由地のベルギーで墜落し(サベナ航空548便墜落事故)、乗客全員死亡。アメリカ代表選手18名とコーチ、審判員、選手の家族など16名が死亡し、フィギュアスケート界に大きな損失を与えました。
今の情勢では数か月で新型コロナウイルスの感染が収束するとは思えませんから、開催するなら10月以降になるのもわかります。
しかし半年たったら選手の気持ちと体の維持が難しい。
いっそ2020年大会は中止して新しいシーズンを始めた方がいいのではないか。
そうすると、今年選ばれた代表が来年の大会に出場できる保証もないのが悩ましい。
(ISUは世界選手権で入るはずだった収入が消えるのが惜しいから無理して延期したいのだろうが)
このまま学校を休校し人の移動を制限し、スポーツや舞台の興行を止めているわけにもいきません。
人類が抗体をつけて新型ウイルスと共存するしかないでしょう。
約100年前に世界的に流行したスペインかぜ(新型インフルエンザ)は2年ぐらい猛威を振るって当時の人類の3分の1が感染したのちに収束しました。
大会直前に事故で亡くなった選手たちや、戦争で演技を披露する場も奪われたスケーターたちのことを思えば、生きてスケートできるだけでほんとうにありがたい。
選手たちがみんな心身ともに健康で、来シーズンもスケートができますように。
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